映画『BALLERINA』ジャパンプレミアにて、アナ・デ・アルマスさんへ花束を

先日、映画『BALLERINA』の
ジャパンプレミアが開催され、
主演のアナ・デ・アルマスさんが
登壇されました。

その舞台あいさつで、
私が制作した花束を
お渡しするという
大変光栄なお仕事を
担当させて頂きました。

煌びやかなレッドカーペットの上で、
世界中の視線を集める女優へと
手渡された花束。
その一瞬を思い返すたび、
胸の奥に温かい余韻が広がります。

花を通じて世界的な
映画の瞬間に立ち会えたことは、
フローリストとしての
大きな喜びであり、
何より忘れられない経験となりました。

『ジョン・ウィック』シリーズから
生まれたスピンオフである本作は、
復讐に舞う女性の強さと
美しさを描いた作品。

アナ・デ・アルマスさんが
纏う赤のドレスと、
スクリーンの中で放たれる
圧倒的な存在感に合わせて、
花束も「力強さと華やかさ」を
意識しながらデザインしました。
まるで花たち自身も、
彼女と共に物語の舞台に
立つかのように。

今回の花束のコンセプトカラーは、
映画の広告ビジュアルに
合わせて構成しました。
近年は染め花が一般的になり、
色彩のコントロールが
格段にしやすくなっています。

従来の自然の花材だけでは
難しかった深みのある色調や、
ビジュアルとの完全な色合わせも、
染め技術の発展により
実現できるようになりました。

広告や映画の世界観を正確に
表現するには欠かせない要素であり、
今回もその技術が花束全体の
完成度を大きく支えてくれました。

花の「自然の美」と
「人の技術」が交わることで、
表現の幅は確実に
広がっているのを実感します。

普段は、サロンや
飲食店さんなどの日常の空間に、
季節のお花を使った装飾や
演出をさせて頂いております。

お店の雰囲気に寄り添いながら、
訪れるお客様が
「ここに来てよかった」と
感じて頂けるような彩りを
心がけています。

ありがたいことに、実際に
ご依頼頂いた店舗様からは
「お花があるだけで
お客様との会話が弾む」
「写真を撮ってSNSに
投稿して下さる方が増えた」と
いったお声を頂戴しており、
花が人や空間をつなぐ力を
日々感じています。

日々のお仕事で感じる
花の魅力は、サロンや
飲食店の装花だけでなく、
イベントの空間演出にも
共通しています。

ありがたいことに、
最近では映画や舞台といった
特別な世界へと花を届ける
機会も少しずつ増えてきました。
普段の装花とはまた違い、
映画や舞台の世界に
花を添える時間は、
特別な緊張感と
高揚感に包まれます。

特別な舞台に立ち会うとき、
花はまるで登場人物の
一人のように感情を
語りはじめます。
空間と心をつなぐ、
その大きな力を
再び感じました。

今回、花束をお渡しされたのは、
2024年パリ五輪48キロ級で
金メダルを獲得された
角田夏実選手。
強さと美しさを兼ね備えた
お二人が並ぶ姿は、
映画の世界観そのもののようで、
花束を手掛けた私自身も
胸が熱くなりました。

フローリストという仕事は、
誰かの「特別な瞬間」に
寄り添うこと。
その舞台が日常であれ、
国際的な映画の場であれ、
変わらずに心を込めて
花を届けることが私の使命です。

これからも、ご縁を頂いた
一つ一つの場面を大切にしながら、
花を通じて新しい彩りを
届けていきたいと思います。

映画『BALLERINA』は、
8月22日(金)より全国公開されます。
スクリーンを彩る物語と共に、
あの夜の花束がほんの少しでも
作品の記憶に刻まれていたら――
それはフローリストとして
最高の幸せです。

最後に、この機会をお任せ
下さった関係者の皆様へ、
心より感謝申し上げます。
そしてこの記事を読んで
下さっている皆さまに、
もし日常の空間にも
「物語のある花」を
取り入れてみたいと
感じて頂けたなら、
定期装花や季節の演出を通じて、
その小さな物語を共に
紡いでいければ幸いです。

花の文化がもっと
自然に広がり、暮らしや
街に息づいていくことを願って――。

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