伊勢丹新宿 POP-UP 装花の舞台裏

伊勢丹新宿本館2階、
URBAN CLOSETで開催された
Arobe 2025 SPRING&SUMMER POP-UP。

この特別な空間を 彩る装花を
担当する機会を いただきました。

今回のテーマ は “Fruit Garden” 。
瑞々しい果実と花々が調和する、
フレッシュで生命力あふれる
世界観の演出です。

昼間の伊勢丹は洗練された
雰囲気と落ち着いた空間が
広がっていますが、
営業終了後 の館内はまるで別世界です。

シャッターが閉まり、
静寂に 包まれるかと思いきや、
実際には百貨店全体が装飾や
搬入作業で騒然としています。

様々な業者が黙々と作業を 進めています。

私たちフローリスト以外にも、
ウィンドウディスプレイの担当者、
什器の搬入業者、ブランド のスタッフなど、
伊勢丹の夜の顔は活気に満ちています。

それぞれが限られた時間の中で
自分の仕事をこなし、
翌朝には すべてが整った状態で
お客様を 迎える準備を
しなければなりません。

そんな中私の目に映ったのは、
他のブランドの装花を担当する
フローリストたちの姿です。

普段はあまり接点のない
同業者たちが一堂に会し、
それぞれの 世界観を表現するために
一心不乱に手を動かして いました。

競争とも協調とも言えない
独特な空気の中、
誰もが自分の 仕事に集中し、
しかし周囲の 作品にも目を配っています。
花の扱い方、色の組み合わせ、
花材のチョイス——どれをとっても
個性が光り、まるで静かに
鎬を削るデザイン合戦のよう でした。

「やっぱりこの場所は すごいな」
と思わずにはいられませんでした。

私がArobeの装花として選んだ のは、
グリーンをベースにした
ナチュラルな構成です。

黄色やオレンジの花をアクセントに、
果実の色とリンクさせて
全体に統一感を持たせました。
アパレルブランドの世界観を損なわず、
それでいて装花単体 としても
力強く主張できる
バランスを意識しました。

作業の合間、他のフローリストたちと
目が合うこともありました。
皆、一瞬だけ互いの仕事を眺めて、
軽くうなずく。それが「あなたの 世界観、
いいですね」と言っているように感じました。

言葉を交わす時間は
ほとんどありませんでしたが、
この一瞬 のアイコンタクトが、
どこか 誇らしく心地よかったです。

朝を迎えるころには、
店内は一変していました。

昨日まで何もなかった場所に、
華やかで洗練されたポップアップ空間が
完成しました。
フルーツの香りがほんのり漂う中、
Arobeのドレスと装花が
見事に調和していました。

こうして迎えたPOP-UP初日。
お客様が足を止め、装花に目を留め、
写真を撮っている様子を見ると、
夜通しの作業の疲れも吹き飛びました。

伊勢丹での装花は、ただの仕事 ではなく、
フローリストとしての矜持を
試される場所でも ありました。
夜の戦場で生まれた作品が、
昼の華やかな世界でどう映るのか。

その緊張感と達成感を味わいながら、
また新しい挑戦に向かいたいと 思います。
この機会に知り合った
フローリストたちとも、
また どこかで再会できる
のではないかと期待しています。

互いの世界観を認め合いながら、
次の機会にはさらに刺激を受け、
より良い作品を生み出せるよう
精進していきたいです。

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